会社を経営していると、「上場」というものが一つの夢であり、目標になっている人っているんですよね。
日本の企業って現段階で400万社程ありますが、その中で上場している企業がどれだけあるのか?というと、
3500社程度なんですよね。ほとんどの企業が上場せずに自分で株式を保有し経営している事が多いのです。
でも、それでも上場を考える人というのはいるものでして、それが夢だと語る社長も多いのです。
ただ、その一方で上場するメリット。デメリットって何だろう?と考えると意外にもわからない事が多いと思うんですよね。
そこで、今回は上場するメリット・デメリットについて書いていこうと思います。
上場するメリットとは?
まずは気になるのって上場する時のメリットだと思うんですよね。上場したらどうなるのか?上場する事に本当に意味はあるのか?
そんな事を考える指標になれれば良いと思います。
信用性
これは上場する時のメリットとして最初に挙げるべき事ですよね。
上場するという事は「東証1部・2部、マザーズ、JASDAQ」等市場の差はありますが、そういった市場から
「上場の認可がおりた」という事なんですよね。これって実は大きな信用になり、メリットになるのです。
皆さんも「名前も知らない企業」「上場企業」だったらどちらを信頼しますか?
後者ですよね?私でも、同じような価格で仕事を頼むのであれば、上場企業に頼みますから。それだけ債務履行や、仕事の確実性という面からも、
信頼されるのが上場のメリットなんですよね。
また、社員の採用に関しても同様です。
社員を採用する時に困っている企業って最近は本当に多いのです。もちろん、上場してからも採用って難しいです。
ただ、上場しているとなると、一定の信頼を得る事が出来るんですよね。これも大きなメリットなのです
「上場企業だから安心だろう。」
「上場企業なら親も安心する」
そう思い、就職を決める学生が多いのも事実ですし、転職希望の人だって将来性を考えた時に上場企業を選択する場合が多いのです。
確かに、これからは上場企業でも潰れる時代です。
しかし、それを理解している就労希望者って少ないんですよね。
だからこそ、上場するという事は採用の面でもメリットがあると考える事が出来るでしょう。
・IPOによる自己株式の売却利益
これもメリットですよね。
上場していない会社の株式って市場で取引されているわけではないので、税務上の価値はあったとしても、
そこには実質的な価値がありません。
しかし、IPO(新規株式公開)を行えば、自分が持っていた株式が市場で数倍の価値になって返ってくるんですよね。
これって、上場する大きなメリットだと思います。
私の知り合いでも、上場してしばらくしたら社長を退任していまは海外に悠々自適な生活を送っていらっしゃる方がいるのですが、
それが出来るのは、上場するメリットを享受出来たからなんですよね。
「上場がゴール」になってしまっている企業が問題になる事もありますが、実際社長の元には数億円という数字(企業規模により異なる)が入ってくるので、
一生働かなくても良くなるわけなんですね。
会社を上場させて新しい事情を始めても良いですしね。なんでも出来るようになるのです。
・潤沢な資金の獲得
これもメリットとしてありますよね。
もちろん、株式を所有している社長は個人としてお金を手に入れる事になりますが、会社としての資金の潤沢度も変わってきます。
まず、上場すると、銀行の対応が変わります。今までは「1億円なんて貸せませんね。裸(担保無し)で1億なんてとてもじゃないけど、融資出来ません。」
と銀行が言っていたとしても、
上場すれば、信用が上がるため、貸してくれる事が多くあるんですよ。
こうなってくると、広告宣伝費にも多くの資金を投入する事が出来るようになりますし、新しい事業をより大きくする事が可能になってくるんですよね。
大きな戦略に出られるという事は上場の大きなメリットだと思います。
私の知り合い(先ほどとは別)でも、食品事業に新しく算入するという段階で上場を考えていました。
なぜか?それは大きく宣伝を打つ事が出来るからなんですね。
他社がシェアを取ってしまう前に、自分の会社の知名度を上げるという事が、潤沢な資金の獲得により可能になってくるのです。
上場のデメリットとは?
確かに上場はメリットがあります。しかしその一方で上場のデメリットというものも少なからずあるんですよね。
上場を考えている社長さんとかでも、これから説明するデメリットを考えて上場を悩んでいるという方もいるのではないでしょうか?
という事で、上場するデメリットについて書いていきたいと思います。
・説明するための労力がかかる
これは上場する時のデメリットだと思いますね。
今までは社長のなんとなくの意向でやっていた多くの事も、株式を市場に公開すれば全て説明しなくてはいけなくなってしまうんですよね。
IR情報の更新にも専門の人員を確保しなければいけないし、業績が悪くなってしまったら株主総会で問い詰められますよね?
そういった面倒な事が増えるという事も事実なのです。
また、社長さんとかだと減価償却の観点から車などの実際には会社用ではなく個人用の資産を会社のお金で買っていたと思うんですよね。
でも、これも監視の目が厳しくなってきてしまったら出来ませんよね。
株主からしたら「なぜ私たちの金で自分の物を買っている?」となってしまうわけです。
こういった事を全て知られてしまうという事は「自由にやっていきたい」と考えている社長さんにとっては上場のデメリットでしょうね。
もちろん、本来はそういった事をするべきではないのですが、それでも上場していない企業では日常的にある事なんですよ。
・買収されるリスク
これもあるんですよね。
もちろんTOB(敵対的買収)は今では主流ではありません。敵対的な買収をしても、結果的には長期的にうまくいかない事例が多いので、
最近は事前に話し合って決めるというやり方が多いですが、
ライブドアのニッポン放送株買収とか覚えていますか?こういった事をされるデメリットってあるんですよね。
簡単に説明すると、当時のライブドアは「フジテレビを買収したい!」と思ったのです。
しかし、フジテレビ自体は大きな企業なのでとても買収出来る金額ではないんですね。そこで、思いついたのが、
資本のねじれが起こっていたニッポン放送株の買収でした。
つまり、小さな会社であるニッポン放送の下に大きな企業であるフジテレビがいたんですね。
こういった事が上場によって起こってしまうリスクというのはやはり考慮した方が良いですし、上場のデメリットでしょうね。
・短期的な利益の追求
これもあると思うんですよね。
株主は会社を短期的に評価する事が非常に多いのです。
例えば、社長からすると
「今は利益を圧迫しているが、4年後には必ず大きくなる。」と説明してもそれを理解してくれる株主だけではありません。
上場企業になるという事はそういう事なのです。
短期的な利益が出ないと、株主から迫られてしまうため、どうしても長期的な視野を持つ事が出来なくなってしまうんですね。
そうなってきてしまうと、どうしたって、短期的な成績を上げる事に注力してしまうのです。
これって会社からすると、上場する時の大きなデメリットだと思うんですよね。もちろん会社のお金は株主のものですから、
ある程度の制約がある事は仕方がない事です。
しかし、長期的なビジョンを持つ事が出来ないとなると、それは結果的に株主の損にも繋がります。
そして、会社としての規模縮小にも繋がる問題なのです。
今回は上場する時のメリット・デメリットについて書いてみました。
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また、より実践的な内容になってくると、
当たりも参考になるので是非。