生きているとあまり実感が湧かない事なのかもしれませんが、誰でも最終的には死んでしまうんですよね。
亡くなってしまうのが私たち人間に背負わせれた定めでもあると思っているんです。
どんな美人もブサイクも最後には亡くなってしまうんです。
でも、自分の父親が突然亡くなる事ってなかなか受け入れる事が出来ない事だと思うんですよね。
死というものが存在する事はわかっていてもそれがなんとなく遠い国の出来事のような感覚を持っている人って結構いると思うんですよ。
私も以前はそう思っていました。「まあ、あんまり自分には関係ないな!」って思っていたんですよね。
しかし、私はある日突然父親が亡くなってしまった。
あんなに辛い事があるのか?と思う程に辛い出来事でした。
でも、きっと同じような境遇の人っていると思うんですよね。今回はそんな父親が突然亡くなったという人のために書いてみる事にした。
実体験をリアルに書いたから、疲れてしまうかもしれないけど、読んでみて欲しい。辛いかもしれないけど、生きて欲しい。絶対に。
亡くなるのはある日、突然の事
あれは、私が当時付き合っていた彼女とカフェにいた時の事でした。当時の私は大学生。
いつもと同じような飲み物を頼んで、いつもと同じような会話を彼女としていたんですよ。
何も変わらない平和な日常だった。
そんな時、ふいに携帯を取り出すと
「着信10件」となっていたんですね。発信元は母でした。
母からそんなに電話が来る事なんて今までなかったから、不思議でした。
「なんだろう?」って思いながらも、おそるおそる電話してみると、
「お父さんが死んじゃった…」と
最初は意味がわからなかった。
何を言っているの?
ん?
本当に理解が出来ませんでした。
人間って動揺すると、頭が真っ白になるって言いますけど、本当ですね。
父親が亡くなったなんて急に言われても全然理解する事なんて出来ないんです。
私は「ごめん」とだけ当時の彼女に言い残して、飲んでいたコーヒーを彼女に渡した。急いで、家に向かい、母親から、警察から電車の中で電話を取り、全ての事情を聞いたんですね。
その時も全然理解出来ませんでしたよ。昨日まで元気だったのになんでいきなり亡くなるなんて事になったのか?
全く理解出来なかったんです。
警察からは「お母さんはまともな精神状態ではないので、あなたに電話しました。」と言われました。その時の私はやけに冷静だったので、
警察の方の話を聞く事が出来た。なぜだろう。悲しいはずなのに、なぜだろう。男ってそういうものなのかもしれない。
父親が突然亡くなった人にしかわからない、息子の独特な心境なんだろうね。
悲しいという感情すらも曖昧になる
これも体験した事がある人、いるんじゃないかな?
って思っているんですけど。
自分の父親が亡くなったって事実って体験した人にしかその感覚がわからないと思うんですね。
想像は出来ると思うんです。「父親が亡くなったら、なんとなく悲しいんだろうな」という悲しい想像は誰にでも出来る。
皆さんにもきっとあるでしょ?「もしも親が亡くなったら」という妄想をした夜。怖くなった夜。あるでしょう?
でも、想像していたものとは違っていた。
もっと、もっと痛かった。心が壊れてしまいそうだった。
亡くなると、その後すぐに葬式の準備をしなくてはいけません。
本当に忙しいんですよ。そして、お金をたくさん取ってやろう!って思っている葬式屋が家にやってくるんですね。
これもこれで辛い事なんです。
でも、これが終わってようやく葬式の時になると、とてつもなく孤独な気持ちになるんですね。
この前までは3人でいたのに、なんでいまは2人なんだろう?なんで?
なんでなの?ってなるんですね。誰に聞けば良いのか、もわからない。心の中に浮かんだ答えのない問いだけが頭の中にこびりつく。
ただ、その時に実感が明確にあるのか?っていうと、そうではありません。
なぜか「自分の事を遠くで見ているような気分」になるんです。
そして、遠くで不幸な自分をナレーションしているかのような気分になるんです。
「余りにも不幸な私は…」で始まるような悲しいナレーションを自分でしているような感覚になってしまうんですね。
物語の登場人物にでもなったような気分だった。
父親が亡くなったって現実が受け止められなかった。
受け止められるほど、きっと私は強くなかった。
私はあの時、自分が第三者でしかなかったんです。
不思議なものですね。
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家の借金の整理、そして会社分割
これなんですよね。
普通の人って父親が亡くなったら悲しみに暮れる事が出来るんです。
でも、うちの場合はそんなことありませんでした。なぜなら父親が経営者だったから。
しかも、多くの借金があったんですね。
会社なので借金がある事は当たり前の事なんですけど、
それでも、会社についてあまり知らない私と母にとってはあまりに大きな金額でした。
見た事がない社員や、関係会社の方々、大学生の私にとっては何もかもが新しいものとの出会いでした。
そして、そこから1年、私は忙し過ぎて記憶がない。大学生の夏休みなんて、思い出の宝庫じゃないですか。
でも、何も覚えていない。駅は何番出口から出ていたのか?そんな事すらわからない。
会社をどうしていこうか?って考えている中で会社分割をしたりとか、借金の返済をしたりとか親子で色んな事をしてきました。
だって、何もしなければ社員は路頭に迷ってしまいますからね。華の大学生?全くそんなことありませんでした。
仕事だらけの毎日。必死に考える毎日。授業なんて受けていられない。
また、借金があったので、当時はほとんどお金を使う事が出来ませんでした。
家にある米だけ大学に持っていって、大学の側のスーパーでメンチカツを一つだけ買う!という質素な生活をしていたんです。
この生活、父親が亡くなる前は考える事が出来ませんでした。
風呂もそうですよ。当時は水道代がもったいなかったので、
髪をぎりぎり洗える程度しか水を出していませんでした。ちょろちょろっと出して、全ての水を使うのです。
父親が亡くなるとこんなにも生活が変わるのか、と思ったものです。
とにかく忙しくて忙しくて大変な毎日を過ごしていたんですね。(まあ今も忙しいんですけど笑)
父親が亡くなった事を受け入れなくても良いんです。
父親が亡くなったという事実を受け入れようとする人っていると思うんです。
現実に目を向けて頑張っていかなくてはいけない!と力んでしまう人ってたくさんいる。
でも、父親が亡くなった事を受け入れる必要なんてないんですよ。
私なんて未だに近くにいるような気がしています。ずっと側にいてくれるような気がしている。朝起きたら、「おはよう。お前、今日もよく寝たなあ。」なんて言われそう。
受け入れられない事を受け入れようとすると、人間ってどうしても苦しくなってしまう。
それに加えて、残された遺族も悲しみに暮れていますから、二重で辛いんですね。
でも、だからこそ私は受け入れなくて良いと思うんですね。
思い悩む必要なんてないんです。
忘れられない事は忘れなくて良い。受け入れられないものを無理やり飲み込む必要はないのです。いつか、受け入れられる日が自然とやってくるから。
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前だけを向いて強く生きろ!
父親が亡くなってしまうと、その悲しみによっていつまでも無気力状態になっている人っていると思う。
幸い、私は会社の事で忙しい毎日になってしまったのでそんなこともなかったんですけどね。
でも、それでも辛い時ってあったんです。
そして、中には父親が亡くなったという悲しみで自殺を考えてしまっている人もいると思うんですね。
旦那さんがなくなった人も同じような事があるかもしれません。
大切な人が目の前からいなくなってしまう事、こんなに辛い事はないよ。悲しみで満たされた海の中に落とされたみたいで、
苦しくて、苦しくて、何も見えなくなる。
それくらい、心の中にいた大切な人、命が消えてしまう事は悲しい事なんだ。心が凍る。冷たくなってしまう。
現実じゃないような気がしてしまう。
父親が亡くなったという事は悲しい事実なんです。
それはそれは深い傷です。
痛い。
でも、下を向いていても仕方ないと思うんですよね。暗くなっていても仕方ないと思っているんです。
父親が亡くなってからもう随分と時が経ちました。
そして、今はこう思うんです。
「時が解決してくれる。生きていける。」
これは本当ですよ。いつまでも辛いなんて事はないんです。
父親が亡くなったら辛いですよね。その気持ち、痛い程にわかるよ。死にたくなるよね。何も楽しくなくなるよね。
父親との何でもない思い出が嫌なくらい脳内に浮かんできてしまうよね。走馬灯のように。
でも、そんなこと言っていてもきっとお父さんは喜ばないんじゃないかなあ?
それでも、必死になって頑張っている姿を見たいんじゃないかなあ?
ってそう思う。
私はいま自分の好きな事を仕事にしています。
もちろん普通にサラリーマンとして働き続けるという選択肢もありました。
でも、今は好きな事で食べているんです。これって、父の影響が圧倒的に強いと思うんですよね。
父親が亡くなったからこそ、こんなに頑張っているんだと思います。
時間って有限です。
人生って一回きりです。
だからこそ、人生賭けて努力してみても良いじゃないですか。
前向きに頑張ってみても良いじゃないですか。
父親が亡くなったという事実が悲し過ぎて何も出来ていない人、自殺しようとしている人、いると思う。それくらい悲しい出来事だから。
「もうこのままずっと暗い人生なのかな?」と思ってしまう瞬間がきっとあると思うから。
でも、父親が亡くなった事っていつか必ず自分の強さになるんです。
だからこそ、諦めないで、頑張ってください。私は今はとっても幸せです。
毎日激動ですけど、それでも生きている。死にたくない。生きたい。生きている事が楽しくて、生きている。
最高に幸せな人生を送っています。
だからこそ、伝えたい、
前だけを向いて、強く生きろ!と。
悲しみの中で、目の前が真っ暗になった。亡くなった翌日、夢から醒める。
「ああ、夢じゃないんだ。もういないんだ。」
そう思ったら、涙が止まらなかった。ボロボロになるまで泣いた。でも、悲しみの中で生きている人こそ、生きて欲しい。
ひたすらに今を生きて欲しい。
生きて、生きて、命を大切にして欲しい。そう思うんだ。
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