最近の重要なキーワードの1つが「好きな仕事で生きる」だと思うんですよね。まあこれもコロナ前のことだと思うけど……。
2020年初頭くらいまでは、景気が良かったから、割と誰もが夢をみていたんですよ。私のブログだって同じで、広告費がしこたまあったから、まあ広告費が入ってきた時代でしたね。
誰でもお金を手にすると思うようになるわけ。「俺の幸せってなんだっけ?」と。お金はあるけれど、お金では幸せになれないし、お金だけ持っていても仕方がない、と思うのです。
で、なんかわからないけど、「好きな仕事」を探し始める。今働いている人も、就活をしている人も誰もが迷う。「俺の人生とは何だ?俺の好きなことって?私は何が得意で何がしたいの?これで良いの?」と悩むのよ。
でもさ、そういう作り出した「好きな仕事」に殺されてしまうんじゃないの?と思うのよ。
好きな仕事は考えて作り出せるものじゃない
これはちょっと表現するのが難しいので困るのだけど、好きな仕事とかって「考えて見つかるもの」でもないと思うんですよね。
大学のキャリアセンターに行くとさ、「まずは自分の性格を分析して……」みたいなしょうもないこと言われるけど、そんなんでわかるほど人生は簡単じゃないじゃんか。笑
みんなの人生は「紙の分析表」でわかるん?そんなことないよね。
でも、多くの人はまあ形は違えど、色々な方法で頑張ろうとするわけですよ。「俺に向いていることは何だろうか?俺は物作りが好きだから何か職人的なものが良いのではないか?」とかね。
そうやって、「じゃあ俺が好きなのは家具とかだから……家具職人なんか良いのか?」みたいな感じで、連想ゲームチックに考えていくわけ。そんな悩める人たちをたくさん見てきました。
それ、好きな仕事の捏造なんよね。好きな仕事をしなければいけない、みたいな焦りから自分の夢を探す。大学生の時期でも、サラリーマンになってからでも焦る人は多い。
でも、そうやって捏造したところで何の意味もないんよね。好きな仕事をすること自体は私も賛成です。好きな仕事をしている時って疲れないし、別に何も苦に感じない。
そういう意味では最高ですよ。ただ、絞り出すのは反対なんですよね。そういうやり方じゃなくて……もっと他の視点から……。
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とにかく何でも手を出してみる
私は座った状態で「俺の好きな仕事は何かな?」と考えても答えが出ないと思っています。座った状態で考えたところで何の意味もないんですよ。
好きな仕事ってのはさ、何かわからないものです。しかもね、やってみないとわからないんですよ。
例えば、「俺は文章を書くのが好きだからブロガーになろう」って人がブログ業界には多いのだけど、99%の「自称文章書くの好きです」は消えて行きます。本当にいなくなる。
ブログをやめる人が急増している今、私が伝えたいことでも書いたけど、まあ辞めていくわけですよ。
それくらい大変なんですよ。やってみればわかるけど、「1週間に1度」の更新でさえも、ちゃんと「更新しよう」という気合がないと続かないよ。
だって、例えば、このブログだとだいたいいつも2000文字くらいを書くんですけど、
それで原稿用紙4枚分ですから。4枚分も毎週書いていると、書きたいことがなくなってくる人もいるだろうしね。
だからね、やってみなければ「好きな仕事」なんてものはわかりません。キッザニアじゃないけど、とりあえず職業を体験してみたり、実際に挑戦してみたりしないと、簡単にはわからないのですよ。
例えば、「家具職人になりたい」と思うなら、安易に「専門学校に行こう」とするのではなく、木でも買ってみて家具を作ってみた方が良い。美容師だってそうです。
「美容師になるために専門学校だ!」ではなく、その前に友達の髪を切ってみてください。そうすれば、その仕事が好きかどうかがわかる。
何でもかんでも、私たちは「脳内で完結」させようとするからおかしくなる。まずはできることからやってみて、そこで「合っているのか?」を感じないとダメですよ。
人間は頭が良いから頭で何でもやろうとする。それは良いことでもあるし、理工でもある。でも、君の好きな仕事はそんなことじゃ見つからない。
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本当にやりたいことが見つかるまでひたすら何でも一生懸命になろう
好きな仕事を捏造することは君の不幸に繋がる。でも、私は「好きな仕事」を否定するつもりはない。
最近は「好きな仕事なんて探すからつらくなるんだ」みたいな、一種の絶望思想というか、ニヒリズムっぽさというかさ、そういうことを言う人がもいるじゃないですか。
今の10代、20代にとっては斬新な考え方であって、この不景気の世の中においては「そうだそうだ」と称賛を集めるような考え方なのかもしれない。
でもさ、私はやっぱり好きな仕事をした方が良いと思っているし、好きなことをやらずに死んでいくのはおかしいと思っている。好きな仕事がない?やりたいことがない?
それは好きかどうかの確認もしないままに、何となく生きているからです。
私みたいに経営者になりたいならなれば良い。お金がないならクラウドファンディングでもしたら良い。銀行から創業融資を引いてくれば良い。
商社で働きたいなら転職すれば良い。方法はいくらでもあるのに、考えない。考えずに何となく「これが夢だ」と頭の中で決めつけて、10年、20年と過ごしていく。
そう考えると、怖いものですよね。「良いの?それで」と思うよ。
好きな仕事を探さなければいけない、みたいな風潮があるから無理に捏造したのであれば、それは私も謝るべきかもしれない。でもさ、無理に「これが夢だ」と決めつけて、無理に決めてしまうのは何かもったいない気がする。
頭で考えずに、もう何でも良いから楽しそうなものをやってみたら良い。人生なんてせいぜい長くても100年くらいしかない。
ものすごく元気なのは50歳くらいまで。そう考えると、いまあなたが20歳だったとしても、30年くらいしか時間がない。
その時間をテキトーに何となく「好きそうな仕事」をして過ごすのか、それとも「本当に好きな仕事」をして過ごすのか。
さあ、決めてよね?と思う。
ではでは、ちょっと説教臭くなってしまったのだけど、まりもでした。
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