サラリーマンとして働きたくない。そんなことを思う人が最近は増えてきたような気がする。サラリーマンは悪くて、サラリーマンとして働くのはダサくて、何の意味も感じない。
そういう風に思っている人が増えてきたと思うんですよね。でもさ、私はね、サラリーマンとして働きたくない人が自営業に向いているわけでもないと思うわけですよ。
「俺、サラリーマンは向いていないから起業するわ」と言って、成功する人がどれだけいるだろうか?と思ってしまう。
サラリーマンの方が楽だな、と思うこと
仕事にオンとオフがある
よく、「明日は仕事なの?」とサラリーマンの人は聞いてくることがある。飲み会の時に言うセリフですよね。
サラリーマンの人たちにとっては、「仕事をする日」というのは明確に決まっているわけですよね。月曜日から金曜日までが仕事の人は、月曜日から金曜日までが仕事であって、土曜日とか日曜日は休み。
でも、経営者は違うんですよ。経営者の場合は休みという休みがない。そういう概念の中にいないから、土曜でも日曜でも働くし、仕事の電話を取るわけですよね。
サラリーマンとして働きたくない、という人の中には「何にも縛られたくない」みたいな人がいるのだけど、自営業の方が縛られるよ。お金が自分の生活に直結するから、必死になるし、土曜でも日曜でも仕事の電話大歓迎。
でも、そのぶん、「この日はオフ」みたいなのがないのよね。サラリーマンとして働きたくないと思っている人も多いかもしれんけど、サラリーマンの利点でもあるのよ、オフがあるのは。
そこを今サラリーマンをやっている人は気がついていなかったりする。目に見えない部分でフリーランスとか起業家みたいな人たちは苦労しているのです。
安定して収入が入ってくる
自営業の場合はね、収入が安定していないんですよね。まあサラリーマンだってさ、根本的には安定しないんですよ。
企業の業績が悪くなれば、社員のボーナスカットなんかもあるからね。でも、自営業よりはしっかりと入ってくるよね。
自分がガンになってしまったとしても、会社からすぐに解雇されるわけじゃないし、風邪で休んだとしても、すぐに収入がなくなるわけじゃない。
でも、起業家の場合には違うじゃないですか。自分がどうにか動かないといけない。サラリーマンの代わりはいても、社長の代わりはいない。そうなってくるとね、それはそれで大変なのです。不安定ですから。
サラリーマンとして働きたくない、という気持ちは私にもわかるよ。ただ、見かけ上だけでも安定した給料が「チャリン、チャリン」と入ってくるシステムはね、良いものだと思うんよなあ。サラリーマンの人はその有り難さをわかっていないだろうけど、普通のことじゃないから。笑
関連記事:「経営の勉強するわ」と言って起業した人を見たことがない。
自営業だって大変なんだぞ、と
まあね、あまり「自営業ってめちゃくちゃ大変だよ」なんて言いたくないわけですよ。だって夢がないもんね。笑
でも、自営業だって大変なんですよね。
サラリーマンとして働きたくない、と言うけれど、サラリーマンの方が楽な部分なんていくらでもまるんですよ。例えば、会社は借金をして経営をしていくわけだけど、
その借金ってのはね、個人にも影響してくるのですよ。学校かなんかで、「株式会社を持てば個人にまで債務は及ばない」みたいなことを習ったでしょう?
たしかに大企業に関してはその通り。1%にも満たない金利でお金を貸してくれるしね。最高ですよ。
でも、日本のほとんどの企業は中小企業です。中小企業に関しては、銀行側も「個人保証をお願いしますね」という感じで、経営者自身の個人保証を求めてくるわけですよ。
会社が倒産した場合、経営者になったあなたも債務を背負っていくかもしれない。経営者ってのは、サラリーマン以上にリスクのある職業でもあったりする。
「だったら無借金でやれば良いじゃん」と思うかもしれない。でもね、借金ってのは運転資金として借りることも多いんです。経営状況が悪いからとか、拡大していきたいからという理由だけで借りるわけじゃない。
例えば、A社への支払いが6月末だとしますよね。3000万円(自分が払う分)の支払いがある。で、B社からの自分の会社への支払いが4000万円(自分が受け取る分)ある。これが7月末。
会社には現金が1000万円しかない。そんな時、どうしますか?現金ではどうにもなりませんよね。こういう時に運転資金が必要になるのです。
A社への支払いをするためには2000万円の借入をする必要がある。こういう形の借金だってあるのです。
サラリーマンの人たちにはわからないだろうけど、そういうものなんです。
でもさ、途中で「B社からの支払いが消えた」時にはどうしますか?そうなると、大きな借金を抱えることになるでしょう?
そういうリスクの中でどうにか生きているのが経営者だったりするんよね。サラリーマンとして働きたくない?いやいや、サラリーマンとして働いた方が全然楽じゃんか、というのが正直な感想です。
君は何したくて起業するの?
結局ね、ここだと思うのよ。結局は自分は「何のために」起業するのか?という部分です。起業が目的になっている人があまりにも多い。でも、企業はただの手段。
別に、すごい物でも何でもないからね。笑
例えば、「お、おれは!!孫正義みたいな世界的な起業家になるんだ!」みたいな風に思っているなら起業してみれば良いと思う。
例えば、「俺は空飛ぶタクシーを普及させたいんだ!」と思ったら、そういうテック系のベンチャーでもやってみれば良いよ。
今は投資してくれるようなVCだってあるから、自分でお金を持っていなくても良いしね。【2018年IPO】最もキャピタルゲインを稼いだ投資家ランキングなんて記事を読んでいたら、結構色々なところが投資しているんだね。
知人のとこだと、イーストベンチャーズから投資を受けていたりした。ええ。
まあ本当に何でもできる時代です。でもね、重要なのは「何がしたくて起業するの?」という部分ですよ。
ただただ「サラリーマンとして働きたくないから」という理由で起業したとしても、地獄を見るだけです。例えばさ、「社長は偉い!」なんて短絡的に思っている人がいるのだけど、
企業のトップがね、たぶん1番頭を下げていると思いますよ。そういうものです。実は苦労しているのって経営サイドだったりするんですよね。
サラリーマンとして働きたくないし、サラリーマンは格好悪い。そう思っている人もいるよね。サラリーマンよりも起業家とか、フリーランスの方が楽だ、みたいな。
でもね、そんなことはない。普通にサラリーマンをやっていた方が幸せな人の方が多いよ。ちなみに今フリーランスをやっている人の90%くらいはサラリーマンの方が向いているとも思っています。
そんなもんです。
ではでは、まりもでした。
関連記事:経営者と従業員のギャップなんて一生埋まらないんじゃないかな