かつて「売春島」と呼ばれた島。それが渡鹿野島なんですよ。ネットで検索しようとしても、スマホで上手に変換しようとしても、ちゃんと出てこない。
それが渡鹿野島です。怖いですよね。
なぜかあまり語られてこなかった島なのです
渡鹿野島について深く取材していた女性が行方不明になってしまったことで有名になった島でもあります。
地図だとこんな感じです。場所的にはかなり不便なところにあるので、「観光で寄ろうかな!」的な場所ではありませんw

まあ色々ね、渡鹿野島には都市伝説的なことも含めて色々あるのだけど、そこも含めて今回は書いていこうかな、と思います。
実際に行ってきましたから。
渡鹿野島までのアクセス
鵜方駅が最寄り
鵜方駅ってどこだよ?と思いませんでしたか。ええ。私も同じでした。場所的には「志摩の方」と言えば、わかりやすいのでしょうか。

よく、「伊勢志摩」なんて言うのだけど、実は「志摩駅」なんてものはないのです。私は鳥羽の方から「渡鹿野島」に向かいました。
鳥羽から鵜方駅という知らない駅までは近鉄志摩線で行くことができます。鵜方駅前の様子はね、のどかというわけでもないし。近代的というわけでもない。
本当に普通の街です
決して悪いところではないのだけど、とにかくお昼ご飯を食べるところがなくて困りました。観光案内所で「渡鹿野島に行きたいんですけど、バスの時刻表はありますか?」と会社みたら、
「時刻表?ないよ」と言われました。不思議ですよね。

そうそうとりあえずカフェに入ってみたんですよね。鵜方駅前にある「TOKINOHOMMECOFFEE」というところ。
ここは「オフィスとカフェ一体型のお店」という不思議な作りでした。オフィス賃料を考えると、どうなのだろうか?と思ってしまった。
まあ鵜方駅ではこんな感じのやりとりで終わった。渡鹿野島へ向かうための道のりはまだまだ遠い。
バスで渡鹿野渡船場へ
さて、渡鹿野島へ向かうためにはバスに乗る必要があるんですよね。渡鹿野島渡船場という船着場までバスに乗って行く必要がありました。

鵜方駅から渡鹿野島渡船場まではバスで「20分程度」になります。
はい。で、まあその後バスに乗って渡鹿野島渡船場まで向かいましたよん。

バスの運転手さんもとても良い人でした。女性のバス運転手さんで「格好良いな」と思った。
船で渡鹿野島へ
鵜方駅からバスに乗って渡鹿野島渡船場に到着すると、次は船に乗って渡鹿野島に行く必要があるんですよ。

でも、どこにも渡鹿野島へ向かうための船の時刻表がないんですね。

渡船場の近くはこんな感じでヤンキーみたいな塗りがしてあるし、ちょっと不気味でした。誰がやったのだろうか。
時刻表がないので、近くの人に聞いてみると、「あそこ見えるかい?あっちに赤い旗がついた船があるだろ?あれに乗れば良いんだ!200円だ!」と言っていました。

つまりこういうことです。民間のおっちゃんがやっている船が何度も渡鹿野島と渡鹿野島渡船場の間を往復している、と。

はいふう等の旅館に宿泊する人は旅館の船に乗れば良いけど、私のような「島に宿泊しない人」は赤い旗のついた船に乗ってみると良いらしい。

ちなみに、渡鹿野島方面に手を振ったり、赤いボタンを押したりしても、来てくれるらしいね。

このボタンなんですよ。夜間渡船を呼びたい時は右のスイッチ!?って感じですよね。まあ夜間もやっているだろうから、ここを使うのだろうけど。笑
何とも古風。そして、ちょっと違和感のある渡航方法だな、と思った。

上を見てみると、旅館の名前がずらりと並んでいました。福寿荘だったり浮島だったり。

船の中はこんな感じです。

他には誰もいないので、「これは本当に売春島、渡鹿野島に行くのかな?」と思ったよね。ちょっとだけ怖かったです。
渡鹿野島を散策してみた
渡鹿野島国立公園の方へ行く
この島は2つに分けられる。1つ「自然」と、もう1つが「繁華街」です。自然の方からまずは行ってみることにした。

現在、この島の人口は200人を下回る。なので、そこまで人に会うというわけでもない。島の市街地の方ではなく、自然豊かな方に進んでいくと、気持ちが良い。

ちなみに最近だとNEWSのみなさんもテレビの撮影で渡鹿野島にやってきたみたいです。面白いですね、ジャニーズも売春島にやってくるのか、と不思議でした。
まあ、「かつては売春島だった」ということですもんね。ええ。

ただ、正直、廃墟が多くなっていて、「怖いな」とも思いました。
既にボロボロになってしまったバイクだったりとか、

後は家ですね。

もう骨組みしかないような家もあるので、ちょっと怖い。


昔の「そういう旅館」がこの街にはたくさんあります。

で、進んでいくと、渡鹿野島コミュニティ公園というものに遭遇する。


トイレなんかも普通に完備されていて、やたらと手入れが行き届いているのが逆に怖いというか何というか。笑
で、さらに進んでいくとですね、実は「伊勢志摩国立公園」というものを発見することになる。

この森の中を通っていく感じです。実はここを通る時、「ラジオの音」だけが聞こえるんですよね。おそらく誰かが住んでいるのだろう。笑


ただ、伊勢志摩国立公園と言っても、そこまで大きなものではない。

昔はここに女性が来て、ため息でも漏らしていたのだろうか。渡鹿野島の中の自然豊かな方を歩いていくと、何軒かの民家を発見することになる。
でも、「ここ、どこが入口でどこが出口なのだろうか?」という場所に家があることもあって、ちょっと怖い。人も出てこない。

街全体として、「廃れてしまった感」は否めない。売春行為が盛んだった頃には、街には人が溢れかえっていたらしい。それくらい「そういう場所」としての知名度はあったのだろうね。
消防団が団体で入ることもあったとか。どんな世界だよ。それ良いの?と思うけど、まあ人間の世界ってのはきっと綺麗なものだけで構成されているわけじゃないのだろうね。

次は市街地の方に行くのだけど、市街地の方に進んでいくと、

紙が散乱していたりして、ちょっとだけ怖かったです。引越しをして、どこに行くのだろうか。

上の方から繁華街を見下ろしてみるとこのような感じです。まあ、普通の港町という感じですよね。渡鹿野島が売春島になったのは「海洋関係の人たちが泊まっていった」というところから始まっているので、ええ。
市街地は現役?
さて、市街地の方にやってきました。

市街地の方にやってくると、神社があっておみくじを引いてみました。「他人のために頑張りなさい」的なことが書かれていて、何だか萎えた。そんな高尚な人間ではありません。笑

歩いていくと、「20歳未満禁止」のステッカーを発見しました。ここはもしかしてそういう店なのだろうか。

たばこがあるからと言われたら、その通りなのだけど、まあ動画を観てもらえれば分かる通り、ちょっとおかしい感じがするんですよね……。不気味な感じというか。笑

何だか街の人に見られている感じがするのは私だけだろうか。この街を歩いていると、何だか不気味な雰囲気を感じる時はある。「何かおかしいな」と感じるのだけど、その正体がイマイチわからない。
でね、
街を歩いていくと、当時有名だった「シーサイドホテルつたや」がありました。

ここはかつて暴力団が関わったホテルとされているところです。元々は渡鹿野島の住人がやっていたことなのに、そこに暴力団が入ってきてしまった。で、大型のホテルを作って大きく商売をしたわけです。
事件やなんかが介入してくるほど、当時の「つたや」にはお金があったのでしょう。もちろん、中には入れませんでしたが、フロントとか階段を見ることができました。意外にも結構豪華です。

普通のホテルとしても十分やっていけるような内装。よそ者の私が言うのは違うと思うけど、普通に「ハートアイランド」としてもっと綺麗な売り方をしてみたり、逆に「かつて売春島だった街」として観光地化したら良いのに、と思った。
ちなみにこの近くには黄色い建物で有名な「青い鳥」というスナックがある。ここは、バブル当時は凄く流行っていたらしい。

これが青い鳥ですね。パラダイスというお店と経営者は同じらしい。

同じマンションというか、ビルに入っているのがパラダイスですよ。

はい。ここには青い鳥の看板がありますね。笑
何とも不思議な雰囲気のある場所でしたね。何だろうか、この感覚。アジアの発展途上国を歩いている時と同じ感じがする。笑

普通にね、街にはレストランもあったりして、不思議です。これは本当にやっている場所なのだろうか。

はい。でまあ、街を巡っていくと、おばちゃんが出てきた。こちらをみて、家の中に入っていった。これは他の赤線地帯でもあることなのだけど、「紹介してくれる女性」の場合が多い。

まあ、これはわからないのだけど、赤線地帯や青線地帯って完全には消滅させられないし、するべきではないんですよね、きっと。だから、こういう形で残っているのかもしれない。
私はこういう産業が「良い」とか「悪い」とかは、特に思わない。

ここの「四季」というレストランがあるんですけど、これも食べログに評価がないレストランなんですよね。今はやっていないのだろうか。それとも……。

浮島という旅館もありました。旅館が島の規模に対して多すぎるのが本当に不思議です。このくらいの規模の島だったら、3つとか4つで良いような気がする。

ひまわりという店があるのだけど、ここの店の前には大量の空き缶が置いてありました。
斜め扉が赤線地帯っぽいですね

営業はしているのでしょうね。でも、なぜかこのお店の近くからは不思議な匂いがする。トイレの匂いみたいな何とも言えない不思議な感じです。何だったのだろうか……。
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渡鹿野島は変わりつつある街でもある
はい。ということでね、だいぶ渡鹿野島をまわってみたのだけど、どうですかね。面白い島ですよね。

さらに進んでいくと、奇妙な人形?が並んでいるゾーンにでくわします。「これは何だろうか?」と思ってしまう。

著作権的にもどうなのだろうか?笑


もう1つの船着場みたいなところには、

お辞儀をしたサムライさんがいました。昔はここから売春島に入ってきた人がいたのだろうか。
まあね、正直、渡鹿野島全てがクリーンになったわけではないのでしょうね。
他のブログなんかを読んでみても、「まだやってるわ」みたいなものが割りあったりした。
だからね、渡鹿野島は今はもう売春島と呼ばれるような場所では全くなくて、完全にそういう「グレーな島」から脱却した、とは言えないのかも。
でも、その一方で変わりつつある街でもあるな、と思いました。
「はいみた」というこちらの旅館に関しては普通に良い雰囲気の旅館みたいで、中をちょっと覗いてみたのだけど、別に悪いところは何もありませんでした。
もちろん、「コンパニオンさん」を呼ぶこともできません。私が行った時にも、若いカップルが旅館から出てきて、「きゃっきゃ」と写真を撮っていましたからね。
「昔は写真を撮ったら怒られるような場所だった」ということを考えると、そこからは変わってきたのかな、と思う。
渡鹿野島全体として、決して「クリーンな街」ではありませんでした。80年代に栄えた当時の雰囲気も残っていたし、少数ながらも「そういったお店」が存在する可能性はある。
ただ、そうは言っても、街全体が悪いわけではないし、むしろ自然がたくさんある島だし、私は好きな島でした。
渡鹿野島は売春島と呼ばれていたから、多くの人の中で「怖い」という気持ちを持っている人が多いと思う。まあ、それは間違っているわけではないのかもしれない。
でも、船の人だって普通の乗せてくれたし、物凄い悪人がやっているようなところじゃないような気もした。うん。そもそも「かつて売春島だった」だしね。
うん。日本だって、どこだって同じだけど、綺麗な部分だけじゃどうにもならないのもあるよね。
