感性を活かす仕事がしたい。
私も何となくそんなことを考えていた時期がありました。自分の心の中にはどこか鬱屈としたものがあって、
何かで表現しないと、自分の心が疲れてしまう感じがした。
そう思っていたんです。画家でも、ミュージシャンでも良いけれど、感性を最大限に活かせるような仕事をしよう、と思っていたんです。
まあ、ブログは少しそういう面があるけどね。でも、感性を活かす仕事をしてしまうと、それは何だかつらい面もあるんじゃないかな、と。
そういう悪夢のお話。
音楽で生きていこうと思った時代の話
私は元々、「歌手になりたい」と思っていました。それもどちらかと言えば、「歌いたい」というよりも、「歌詞や曲を作りたい」というタイプでした。
自分の気持ちを曲で表現して、それで誰かを救うことができたら幸せな人生だな、と思ったのです。
で、色々歌詞とか曲を書いていたんですよね。何曲かできたりもした。嬉しいはずじゃないですか。自分の曲ができてきて、それが曲になるのって。
私はギターとかピアノとか楽器系に関しては割とできるので、曲も作れなくはないんです。
でね、作ってみたけど、何か違和感があったんですよね……。「何か嫌な感じがする」と思ったんです。
感性を活かす仕事がしたい、と思っていたはずなのに、自分の感性をフルに使って曲を書いてみたら、何だか凄く嫌な感じがしたのです。
曲を書く時ってさ、「自分のマイナスの部分」にスポットライトを当てるじゃないですか。それがたまになら楽しいのだけど、1日に何時間も向き合っていると、疲れてしまうんですよね……。
「うわ、何か向き合いたくない」と思ってしまったのが、その時の素直な気持ちというか、私の本心だったんですよね。
実際にやってみると、たしかに楽しい反面、つらさもあったんですよね。向き合うことも大事だけど、気がつかない部分まで掘り起こしてしまっているような気がして、どんどん暗くなっていった記憶がある。
だからね、感性を活かす仕事がしたい、と単純に考えるのはやめた方が良い、と思ってしまうのです。
まあ、やってみれば良いけれど、やってみて違和感を覚える時もあるよ。
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感性と向き合ったことがあるのか?と問いたい
「感性を活かす仕事がしたいんだ」と言うけれど、そんな人たちはどれだけ自分と向き合って来たのだろうか?と思う。
まあ別に私みたいに父親を失くしたり、億単位の借金があったり。そんな経験をする必要はない。
そこで感じたことを歌詞にできたり、ブログに書ける人だけがプロとして生きているわけではないから。
不幸自慢みたいなことも別に好きじゃないし。
でも、感性を活かす仕事をしたいんだ、と言う人に限って、自分という人間と全然向き合っていなかったりする。
「その中途半端な感性で何を伝えたいんだ?」と思ってしまう。もしも、あなたの感性が「知らずのうちに溢れてくるタイプのもの」だったら、プロになってみても良いような気がする。
でも、引き出しにしまっておけば、顔を出さないくらいの感性であれば、それはそのまましまっておいた方が幸せな気がするんですよね。
出せば出すほど、人間はつらさを感じるものです。私は引き出しにしまっておけるタイプだと思っています。
悲しみ、希望、憎しみ、そういう全ての人間的な、人間臭い感情が自然と溢れ出て来てしまうならば、発散する場所が必要。
だから、そういう人は感性を活かす仕事をしてみたら、幸せになれるんじゃないかな。でも、もしも引き出しに自分の感情をしまっておける人ならば、そのままにしておいた方が良いのよ。
私も表現したいけれど、私は「歌」という表現方法を使ってしまうと、必要以上に自分と向き合ってしまってつらかった。
ブログがちょうど良かったんですよね。なぜ?と聞かれると、なぜだか答えられないのだけど。
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まあでも感性を活かす仕事を1度は経験してみたら良い
感性を活かす仕事を1度はしてみたら良いと思うんですよね。
心の中にしまっておくことができる感性だったら、そのままにしておけば良いよ、とは思う。ただ、「感性を活かす仕事がしたい」と思っている状態って、やっぱり経験しないと脱することができないからね。
中にはさ、ゴッホみたいに「精神的にはつらいけど、良い作品を生み出すアーティスト」みたいな人が生まれるかもしれないし。
画家になりたいなら、自分で絵を描いて売ってみれば良いよ。歌手になりたいなら、歌でも書いて路上で歌ってみれば良い。
そうそう。最近は昔、私と一緒にフットサルチームをやっていた子が路上ライブで有名になっていって、今凄い人気が出ているんですよね。
だからね、やってみた結果、うまくいくことだってたくさんある。だから、やってみたら良いけど、「感性を活かす仕事」ってのもつらいはつらいよ。
ブログを書いている時ですら、「うわ……」と嫌な感じがすることはあるもんね。笑
本当にたまになんだけど……。
うん。だから、一概にね、「感性を最大限引き出してやっていく仕事が楽しいよ」とは言えない。
どうだろうね。人によるのかな。