愛のない世界で生きてきてしまった人が街を歩いている。
古びた看板を掲げるラーメン屋の中で「特製つけめん」を食べている人。
ギターケースを背負って、スタジオから帰る人。
そんな日常を行きている人たちの中にだって「愛のない世界で生きてしまった人」がいる。そんな人たちは愛情という存在と距離を保って生きているような気がするんです。
でもね、愛のない世界で生きてきた人にこそ伝えたいのよ。
「愛の大切さ」をね。
私も幼少期は少しだけ寂しかった
実は私も幼少期には少しだけ寂しい時期がありました。
愛情はもらっていた。でも、少しだけ愛のない世界を見てしまったような気がする。そんな時期もあったんです。
起業家であった父は家に帰って来ても、深夜の2時とか3時とかだったりしました。だから、子供の頃は「たまに帰って来るおじちゃん」みたいな人だと思っていたんですよね。
愛のない世界で生きてしまった、とは思っていない。たまの休みには可愛がってくれたし、愛情を注いでくれていたと思う。
でも、やっぱり子供にとっては「一緒にいる時間」が大切になってくるからね。お母さんにもお父さんにもできればそばにいて欲しい。
そんな気持ちをずっと持っていたような気がする。起業家の妻である母親も、やはり忙しくなってしまう。
これはどの起業家家庭でも同じだと思う。奥さんが経理をやることが多いしね。
だから、母もそこまで構ってくれるわけではなかったんですよね。そんな幼少期を過ごしたのです。
でもね、別に愛情がなかったわけではないんですよ。時間は短かったけど、愛情はかけてもらっていた。
でも、どこかで寂しい時期もあったような気はするんですよね。
私の父親は私が大学生の時に亡くなってしまった。だから、父親とは腹を割って話す前に別れてしまった感覚がある。
仕方ないんですけどね。心のどこかではやっぱりどこか寂しくて、「父親がいたらなあ」なんて思う事もあるよ。
愛のない世界で生きた人の恐怖
いつかは裏切られる
愛のない世界で生きて来た人は、「いつかは裏切られる」と思って生きているような気がする。
愛情たっぷりに育てられた人であれば、別に何とも思わない、疑うことだってないでしょう。
でも、いつかは愛のない世界で生きてしまうと、「どうせこの人は裏切るんだ」と疑心暗鬼になってしまうのです。
愛があったら、そんなことは考えない。自分の心の中に「誰かがいなくなってしまう」とか「裏切ってくる」という概念がないから。
愛のない世界で生きてきてしまうと、人を信じることができなくなってしまうのです。本当はさ、人生の醍醐味なんて「人」でしかないと思う。
にも関わらず、裏切られることを怖れて、人から距離を取ってしまうんですよ。
「裏切られるくらいならある程度の距離を保っておいた方が良い」と思ってしまうのです。でも、悲しくないですか?
そんな考え方、私はやっぱり嫌なんですよ。
人間は1人だ
愛のない世界で生きてきた人は「人間は1人」だと思っている。たしかに人間は1人です。2人で生まれて来たり、2人で死んでいくことはできない。
でもさ、人間は1人じゃないんですよ。
人間は1人になることだってある。自分のことを大切にしてくれない人だって中にはいるよ。
私も嫌われてしまうことがあったし、信頼できない友人がいたこともある。だからわかるんですよ。
愛の儚さとか、脆さとか、そんなものもたくさん見て来たと思う。でも、やっぱり人間って良いものです。
私はつらい時に人間に助けられた。人間を貶めるのは人間だけど、救うのも人間だったりするんですよ。
だから人間の世界は面白い。人間の世界にはたくさんの色があるんです。
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愛のない世界で生きた人こそ愛の中で生きて欲しい
愛のない世界で生きて来てしまった人にとっては、愛情について考えることも想像することもできないかもしれない。
人は冷たい生物で、裏切られるリスクのある存在だと思っているかもしれない。
でも、そんなこともないよ。
私も傷つけたらことがある。傷つけたこともある。「人って怖いな」なんて思ったりもしたことがある。
人間はある種冷たい一面も持っていて、それは状況次第で顔見せたり、隠れたりする。だからわからないんだけど、やっぱりあるよ。
ただ、私はそれでも人に救われてきたし、周りの大切な人たちがいなかったら、生きてこれなかったと思うんです。
愛のない世界で生きてきたかもしれない。人を信じることができない真っ暗闇で生きてきたかもしれない。
それはそれは冷たい世界なのかもしれないよ。
でも、たまには信じてみようよ。人の温かさを感じてみようよ。「2度と会いたくない」と思うような人だっていた。冷たい人だっていた。
そりゃそうよ。どんな世界にもいる。嫌いな人、苦手な人はいる。裏切る人もいる。
でも、やっぱり人が好きなんです。
愛のない世界で生きてしまった、そんな人にこそ知って欲しい。
愛のある世界を。
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