「生きたいように生きる事が幸せなんだ」という発想が日本にはあると思う。
生きたいように生きることができれば、それだけで私たちは幸せになることができると思っているのだと思う。今の状況から脱することができ、
自由になることができれば、幸せになることができると盲信しているのです。
でも、本当にそうでしょうか。
生きたいように生きる方法がわからない
生きたいように生きる、と言っても、実際にはどうやって生きていけば良いのだろうか?と疑問に思ってしまう人も多いはず。
生きたいように生きて良いよ、と言われても、どんな風に自由を謳歌して良いのかわからないのです。
私たちは学校教育に始まり、多くの場面で”束縛”されてきたように思う。教師や親からは「あなたはこうやりなさい」と命令をされてきた。
その命令にきちんと従っていた人たちが、「良い子」だとされた。そんな社会の中で生きてきてしまったのが私たちだったのです。
そうなってくると、自由の身になった時には少々困ってしまう。「どうやって生きていけば良いのか」が全くわからないのです。
生きたいように生きる、ということは理想のように思えるし、私はそれが理想だと思っている。でも、「生きたいように生きることの初心者」には難しかったりもするはず。
「人間は自由の刑に処せられている」というサルトルの言葉のように、私たちは自由を前にして、不自由を感じてしまう生物だったりする。
生きたいように生きること、それは一見して純粋でシンプルな真実のように見えるけれど、実は難しいことだったりするのですよ。
生きたいように生きることが大切だということはわかっているのだけれど、「生きたいように生きて良いよ」と言われたところで困ってしまうものなのですよ。
私たちの体内にある、「生きるためのコンパス」のようなものは、日本の教育を受ける過程で消え去ってしまったのかもしれない。
だから、私たちは生きたいように生きる、という選択肢に対して恐怖を持っていたりもする。
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慣れるまでは時間がかかった
生きたいように生きる、という選択肢を選んだ私ですが、そんな私も慣れるまでには時間がかかりました。
生きたいように生きることが正解だと思っていたけれど、自由になったら、それはそれで困ってしまったりもしたんですよね。
私はサラリーマン生活を辞めて、自分のビジネスで生きていく決断をしたわけです。自営業者だから、別に平日に遊んでも何の問題もないし、
飲み会に行くのも良いでしょう。でも、当時の私は生きたいように生きることができているようでできていなかったんじゃないかな。
平日に遊んだ方が効率的なのに、なぜかサラリーマン時代のことを引きずってしまい、「土日しか遊ばない」という謎の自分ルールを作ったりね。
いま思うと、「なにやっていたんだろう」と思うのですが、その当時の私は「生きたいように生きる」ということが何なのかよくわかっていなくて、
もがいていたのです。別にスーツで出社する必要もないのに、スーツで出社していたりしたしね。
あの頃は、サラリーマン時代よりも早く出勤していたなあ。朝の7時くらいから、夜の11時くらいまではずっと仕事をしていたように思う。
それくらい必死だったのかもね。
生きたいように生きることは心地よいものだと思う。でも、多くの人にとっては「自由な生き方」というものの定義な不明瞭で、
想像しがたいものだと思う。だから、どうして良いのかわからないのですよ。
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自分の心が選ぶ方向へ進んでいけ
生きたいように生きるということは「起業したり、フリーランスになること」だとされてきたように思いますが、別に起業が全てではありません。
独立が全てではありません。
サラリーマンとして生きることが、生きたいように生きることになる場合もあるし、起業家として生きることがそれに該当することになる場合もある。
これは本当に人それぞれ違うものなんですよ。自分の心が選ぶ方向へ進んでいけば良いだけなのです。
生きたいように生きる、ということを自分の中で定義してしまうと、なぜだか私たちは「束縛」を感じて、緊張してしまう。
でも、生きたいように生きるということは、本来「自分の心が落ち着く方向へ進む」ということだと思う。
そこを履き違えているからこそ、束縛感が出てきてしまうものなのです。
自分の心は人生において何を求めているのか?自分の心は何をしたい、と願っているのか?
きちんと見極めた上で、「生きたいように生きる」の本当の意味が見えてくるような気がしています。
自分の心が進みたい方向へ、自分の心音が静かな音を立てる方向へ、私たちはあゆみを進めていく必要があるのです。
やっぱりさ、生きたいように生きるって楽しいことだと思うから。
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