起業と経営

経営が厳しい時に考えるべきことは何だろうか?と現役経営者が考えてみた。

経営が厳しい状態になってしまうなんて、社員は思っていないでしょう。しかし、会社って意外と脆いもので、簡単に潰れてしまうものなんですよ。

社員側は経営のことなんて何も知らないことが多いので、

 

売上がなくてもどうにかなるかな」と本気で思っていたりする。これは私も感じた事です。でも、そんなことはないのです。

経営が厳しい状態になってしまう場合だってある。

経営が厳しくなったら、経営者は何を考えるべきだろうか。現役の経営者が考えてみた。

 

経営が厳しい時の対処法を考えた

オフィスの移転

 

私ならまずはオフィスの移転を実行してしまいますかね。これも資金がどれくらいあるのか?によっても違うのですが。

自社ビルを持っている法人であれば、自社ビルを売却する方向で進んでいった方が良いと思うし、

家賃が高いテナントを借りているのであれば、より安いところへ引っ越しするべきですね。

 

会社の経営が厳しい状態の時に、財務を見てみるとわかると思いますが、意外と削れるところって多くはないのです。私の会社も、「あれ?意外と大きく削れるところってないんだな」と思ったものです。

よっぽど杜撰な経営をしてきたのであれば別ですが、基本的には削るところは少ないはずなのです。

確かに、オフィスの移転にもお金はかかりますが、固定費をカットすることができるので、早めに着手した方が良いところだと思う。

 

私の場合は、会社が厳しくなった時に、月に50万円するオフィスから20万円程度のところに引っ越しました。

そして、今は立ち直ったので、もっと良いところにオフィスを構えています。

 

確かに、会社的には「良いオフィスの方が良い」と思ってしまいますが、経営が厳しい状態なのであれば、あまり気にしない方が良いと思う。

固定費を削る事に専念した方が結果的には会社は安定するものなのですよ。経営が厳しい時こそ、豪華なマンションオフィスとか、テナントは解約し、

 

自社ビルを持っているなら売ってしまいましょう。実際ね、自社ビルを購入すると会社は傾く、という言葉があるのですが、その通りで、

自社ビルを買って1年後くらいに、「ちょっと経営が厳しくさ……」みたいな話を聞く事は多いです。そういうものなんですよ……。

デジャブ……。

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その場しのぎの売上にはこだわらない方が良い

 

経営が厳しい状態になってしまうと、「その場しのぎのお金」を稼ぎたくなってしまうものです。だって、お金が必要だからね。

でも、少しでも余裕があるなら、その場しのぎのお金にこだわるのではなく、月額で入ってくるような安定した売上を増やしていった方が良いのです。

短期的な利益も大事だけど、長期的な利益がないと、絶対に上手くいかない。今は経営が厳しい状態だから、「そんな悠長なことは言っていられない」と思うかもしれない。

ただね、後から振り返った時には、「あの時、安定した売り上げを稼ぐ方向に持っていくべきだったな」と思うはずだから。

月々固定でお金が入ってくることにより、会社は安定する。「この月は大きく稼いだけど、今月はダメだ」みたいなことがないわけ。

 

そういう経営スタイルの方が強固な経営基盤を築いていくことができるのです。経営が厳しい時には、借入金も多くなってきていて、

 

精神的にも余裕がなくなってきているのかもしれない。でも、そんな時こそ、会社の将来を考えて「安定して入ってくるお金」を大切にした方が良い。

 

大きなお金がドカーンと入ってくると嬉しいものですが、それよりも細く長く続けることができるような、長期的なクライアントを探したり、月額で運営できるようなサービスを展開した方が良いと思う。

 

後は、少ない社員数で済む仕事を増やすことかな。経営が厳しい状態で不動産に手を出すのは怖いかもしれないけど、

うちは経営が厳しい時に、不動産の賃貸収入で凌いでいたりしました。

不動産は社員を割かなくても、家賃収入が入ってくるので、稼いだお金を投資に回していくのも大切ですよね。

 

あの時、不動産収入がなかったら、うちはもっと厳しい状態になってしまっていたかもしれない。もしくは私自身が倒れていたかもしれない。

そう考えると怖いな……。

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社員の賃金カット

 

これはあまりやりたくはないことだと思いますが、必要なことでもあると思うんですよね。経営が厳しい状態、ということは「固定費のカット」は既に行なっていると思います。

では、最終的にどこを削減することになるのか?というと、「社員の賃金」なのです。最後の手段になってしまうかもしれませんが、社員の賃金をカットするのも大事なことです。

痛みを伴うけどね。会社ってさ、給料を上げるのは簡単だけど、下げるのは簡単じゃないのよ。

 

特に年収の高い社員の場合は、会社としても大きな負担要素になってしまう。会社の業績が良い時には、金払いも良いのですが、

経営が厳しい状態になってきてしまうと、社員に対する賃金を支払うこと自体が厳しくなってしまうのです。

 

それでも、「何とかして賃金は維持したい」と思う社長さんは多い。ただ、感情論で経営をしても、会社は潰れるだけです。

 

どうにかなるように努力する」という感情だけではうまくいかないのが経営なのですよ。社員の賃金をカットすることは心苦しいことかもしれませんが、

 

経営が厳しい時には必要な行動なのです。会社は慈善団体ではありませんからね。ボランティアじゃないのよ。お金を稼ぐために集まっている、1つの集団にすぎない。

 

会社を存続させるためには、賃金のカットだって大切だし、最終的にはそれが社員のためにもなるのですよ。今はわからないかもしれないけどね。

 

良い顔をするだけが社長の仕事じゃない。時には厳しい決断をするのも社長の仕事だったりするのですよ。

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経営者であるどこかのあなたへ伝えたいこと

経営者はみな苦しんでいる

経営が厳しい状況、資金繰りが厳しい状態だと、苦しいですよね。「社員は何もわかってないくせに、わかったようなことを言うな!」なんて思ったりするんじゃないかな。

凄いわかりますよ。でも、経営者はだいたい苦しんでいるんですよ……。経営が厳しい状態になったことがない経営者なんて10年以上経営をしている人の中にはいないんじゃないかな。

 

私の父親も経営者だったのですが、私の父だって、本当にお金がない時には会社の口座に数十万円しかなかった時もありました。

その当時は子供だった私が自分の貯金を全て父の誕生日にプレゼントした記憶があります。本当にね、どんな経営者でも苦労しているものなんですよ。

 

だから、1人じゃないということは認識して欲しいです。会社には良い時もあれば、悪い時だってある。人間でもそうでしょう?

春とか冬になると、何となく気分が落ち込んだりさ。会社も同じそれと同じで上下するものなんですよ。

そして、どんな経営者でも同じように悩んで、「くそくらえ!」と思いながら経営しているんじゃないかな。

経営者」という言葉を使うと、「豪華な食事と綺麗な女性」みたいなイメージがあるのかもしれない。でも、実際にはそういう華やかな側面だけではないのです。

つらくて、死にたくなるようなことだって普通に起こる。サラリーマンの何倍も胃が痛くなるようなこと起こる。

それが経営者なんですよ。経営が厳しい時があるかもしれないけど、あなただけじゃないのよ。

 

危機的な状況を乗り越えるのが経営

経営が厳しい状況を乗り越えること。これが経営なんですよね。経営者としての器って、実は「資金繰りが厳しい時」にわかるんじゃないかな、と思う。

良い状況の時には、社長の器なんて全く関係なく、会社は社員だけで回っていきますからね。でも、状況が悪くなれば、社長の判断ミス1つで会社が潰れたりする。

 

だからこそ、経営者の仕事って「経営が厳しい状態の時の対処」だったりするんです……。つらい仕事ですよね。

でも、それこそが経営者としての仕事なのだから仕方がない。頑張るしかないんですよ。

 

何ならうちの子会社でも、今「年間で数千万円の赤字」を出している会社があって、実は困っていたりするんです。

どうしようかな?」と悩みながらも、悩んでいる最中に投資しているお金が吹き飛んでいく。年間で数千万円が吹き飛んでいくデラックスな世界ですよ。

でもさ、そういう状況を「最高のショータイムだね!」と思いながら、狂ったように乗り越えていくのが楽しいんじゃないか。

まあ、現実にはお腹も壊すし、脈も速くなるし、何1つ良いことはないのだけど。

 

危機的な状況を乗り越えてこその経営なんです。「ああ、もう死にたい」と思いながらも、何とか乗り越える。

そして、乗り越えた時にはまた一段階、成長している。そうやって、どんどん会社が大きくなっていくんじゃないかな、と思っています。

経営というステージから退場していく人もたくさんいます。歌手と同じでさ、デビューする人はいても、その内、残っている人は数パーセント。

そういう世界なんです。だからこそ、生き残れるように、経営者は努力するわけよ。

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融資を受けることに関して思うこと

きちんとした金融機関から借りられるならありかもね

経営が厳しい時には、喉から手が出るほどお金が欲しい。そういう状態の経営者は多いのです。

ただ、きちんとした金融機関以外からは借りない方が良いと思います。他のブログを見てみると、

即日融資!これしかありません!」みたいなことを言っているところもある。でも、この人は本当に会社を経営したことがある人物なのだろうか、と思う。

 

経営のことは経営者しかわかりません。経営コンサルタントにもわからないよ。私は借入金に関しては賛成ですよ、基本的にはね。

ROEだって改善されるし。ただ、極端に高い金利を払って借りようとするのはその場しのぎにしかならない。

最終的には会社を苦しめる要因になってしまうような気がしてしまって、心の底から「融資を受けなよ!どんな形でも!」みたいなことは言えないのです。

経営が厳しく、切羽詰まっている精神状態だったら、お金が欲しいと思うのは当然のことです。私でも思いますよ。

 

毎日が不安で、「いつ潰れるのかわからない」という状態だと、安心材料として「運転資金」が欲しくなる。

でも、その場しのぎになっていないのだろうか?と思ってしまう。

 

本当に削減できるところはないの?

本当に削減できるところはないの?とも聞きたいですね。社員の給料は削減しましたか?オフィスは移転しましたか?

やりにくい部分ではあるし、着手したくないという気持ちはわかります。

でも、本当に削減できるところはないのか?ということをきちんと考えた方が良いと思うのです。

うちの会社に関してはさっきも話したんですけど、もっと前を考えれば、森ビルに移ったこともあれば、近所の物凄い安いところに引っ越したこともあったんですよね……。

 

業績によって、オフィス移転を繰り返してきたのです。社員の給料に関しても、手当として支給している部分に関しては簡単にカットすることができます。

基本給の部分を削るのは難しいんですけどね。

 

融資を受けて、当面の運転資金を手に入れるのは簡単と言えば簡単なことです。ただ、それで本当に良いのか?その前にできることはないのか?と考えた方が良いのです。

うちの場合だと、本当にお金がない時には減価償却のために持っていた絵画を売却したり、まあ色々なものを売りましたよ。

まずはそういう努力を先にした方が良いな、と私は経験からどうしても思ってしまうのです。

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まりも
まりもだよ(o'ー'o)ワーキングホリデービザでウィーン在住(2022年〜)の29歳。中高6年間男子校で生活。海外をふらふらしながらなんだかんだ生きています。応援は「アマゾン欲しいものリスト」からお願いします。