よく「あなたのためを思ってやっているの」というようなセリフを吐く人がいますが、
この言葉には絶対騙されてはいけないと思うんですね。
というのも、「あなたのためを思って」というのは大抵の場合が自分のため思っていることばかりだからです。
「あなたのためを思ってやっている」どういうことがどんなに利己的なことなのかということについて話していきたいと思います。
「自分にとってのプラス」は他人にはわからない
「あなたのためを思って」という言葉は、言葉だけ聞くと相手のことをとても親身に思っているように感じます。
しかし人と人というのは、結局のところ価値観が大きく違ったりもするので、
その人にとって本当にプラスになるかどうかというのは、他人からは全くわからないことだと思うのです。
これは親子関係でさえ言えることで、
親子ほど親密な関係であっても、「親が思う子供の幸せ」と「子供が考える自分の幸せ」というのは相違が出てくるものです。
親は、自分が経験したことでしか物を言うことができませんので、
自分が学歴に苦労をしていたりすると「勉強はしなさい、良い大学を出なさい」ということを子供に言うと思いますが
子供からすると、勉強をして良い大学を出ることだけが、自分にとっての幸せだとは限らないわけです。
さらに言えば、親と子では生きている時代も違いますから
親の世代で生きていたら、良い企業に就職することによって、人生の保証がされていたかもしれません。
昔は企業も終身雇用が当たり前の時代でしたからね。
しかし今では、企業が倒産することもよくありますし、大手企業でもどんどんリストラをする時代になってきています。
時代が違えば正義も変わってくる、というわけです。
だからこそ親が言う「あなたのためを思って」というのは、裏を返すと自分へのコンプレックスだったり、
確かに子供の事を思っていても、本当に子供が生きて行く目線に立てていないことがよくあることなのです。
子供にとっては大企業に就職するよりも、給料が少なくたって残業がなくてホワイトな企業でのんびり働くことが幸せと感じるかもしれませんしね。
人によって、幸せの価値観は違うわけですから
「あなたのためを思って」というのは、その人の価値観でしかなく、結果的に幸せの価値観の押し付けになってしまうことがほとんどなのです。
「あなたのため」と言えば良い人を騙せる
確かに「あなたのため」といわれると、「自分のことをこんなに思ってくれているのだから、無下にするのも悪い」と思ってしまうのが良い人の思考です。
ただこれによって騙されてしまう事ってよくあると思うんですね。
例えばよくあるのが
「この仕事は薄給なのだけれど、将来的にあなたのためになると思うし、これを機に色々なことを学べると思うから、あなたにとって決して悪い話ではないと思う」
というような話です。
そう言われると良い人というのは、「自分を頼ってくれたわけだし、確かに自分のためにもなるかもしれないから、今回だけは仕事を引き受けよう」と騙されてしまうんですね。
これが続くことによって、良い人は延々とそのループから抜け出すことができなくなります。
確かに自分にとってためになる仕事もあるかもしれませんが、
「勉強になるから」「きっとあなたのためになるから」
と他人が言うのと、自分が思うのとでは大きく違うと思うんですね。
こうやって良い人は騙されていてしまうのです。
結局仕事を振る側というのは、「あなたのため」という言葉で相手のことを思っているふりをして
自分の都合に合わせて仕事をお願いしようとしているだけなのです。
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自分の思い通りに動いて欲しいだけ
結局「あなたのため」という人は、「自分がその人にとって良いことだろうと思い込んでいることを相手に押し付ける人」なわけですから
自己中心的な考え方しかできない人なのです。
だからこそ「あなたのため」と言って何かを勧めてくる人は
自分の思い通りにその人のことを動かしたいと思っている人なので、あまり信用しない方がいいでしょう。
心の優しい人ほど「自分のことを想ってくれているのだから」とだまされてしまいがちなので
自分の意思をしっかり持って、「その人の考える幸せと、自分の考える幸せというのは違うのだ」ということを前提に
人と話をするようにした方が良いでしょう。
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「あなたのため」に騙されるな
「あなたのためを思って言っているのだ」という風に言ってくる人がいたら要注意です。
自分のためになるかどうかというのは、自分自身が判断するべきことであり
他人が判断するべきことではありません。
もちろん他人が「あなたのためになると思う」と言ったことが自分のためになることもなくはないでしょう。
なので「あなたのためになる」と言われたことが、
本当に自分にとって自分のためになることなのか、ということを自分の判断で考えてることがとても重要だと思います。
そして「あなたのためだ」とよく言ってくる人に対しては
「他人の為を思うのではなく、自分のためを思って生きてください」と言えるといいかもしれません。
結局自分のことを大切にすることができない人は、他人のことも大切にすることができませんから
まずは自分のことを大切にすることを教えてあげると良いでしょう。
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では今日はこのあたりで。