経営者の妻になるとどうしても不安に思うことがたくさんあると思います。
妻にとって、経営ということ自体があまりよくわからないものなのであれば
さらに不安に思うことは多いでしょう。
もしそこで妊娠・出産・育児というイベントを控えているのであれば
自分のホルモンバランスによって気分が落ち着かなかったり、マイナスな気持ちになることもあるでしょう。
将来的に不安に思うことも多いと思います。
そのせいで夫婦の関係が壊れてしまうこともよくあることなんですね。
経営者の妻になる人が知っておくことで夫婦の溝が深まらなくなることというのはかなりあるものです。
夫は経営者だけど、自分が経営をするわけではないからノータッチ、と諦めず、
経営者の妻として留意しておくべきことについて今回は書いていきたいと思います。
経営者が孤独だということ
経営者は会社を経営していかなくてはいけませんから
そのために人をうまく使うことができるような人でなくてはいけません。
時には「言わなくて良いことを自分の胸にとどめておく」というテクニックが必要になってくることもあります。
大切なのは周りの人をうまく動かしていくことですからね。カーネギーの名著「人を動かす」が経営者に売れるわけですよ。
自分の胸に言いたいことを留めておく。それは経営者としては仕方がないことですが、本当の本心の部分は周りの人には話せないこともあるものです。
もちろん一緒にビジネスをやっていく社員の人たちのことを信頼していない、というわけではありません。
しかし人にはそれぞれモチベーションがありますし、その人の性格、個性もありますから
そういったものを汲み取った上で仕事をうまく任せていくのが経営者です。私も経営者の彼と付き合ったことがありますが、話を聞く度に「経営者って一匹オオカミなんだな」と思った記憶があります。
サラリーマンと経営者の違いをまとめてみたよあたりでも、まとめられていますが、サラリーマンと経営者は違うんですよね。
その人に合った接し方を常に考えて行動していますから、
少し俯瞰的に全体を見渡す必要があるものなんですね。
だからこそ、会社は自分のものであっても、経営者は孤独になりがちなのです。
無理して孤独に寄り添え、ということではないですが、
経営者は本当の理解者がなかなかいないのだ、ということを理解しておくだけでもずいぶん違うと思います。
例えば、2010年に破綻した「JAL」でも、「利益のことは誰かが考えてくれるだろう。俺たち従業員は安全な航空体験を提供すれば良いだけなんだ」という考え方が充満していたそう。
つまり、当時経営者である京セラ社長の「稲盛和夫」さんは「1人で戦っていた」ということです。それくらい会社の経営者というものは孤独だったりする。
関連記事:経営者は悩みが尽きないものです。
成果報酬制の下で働く
経営者は当たり前ですが完全に成果報酬制であり、毎月のお給料は保証されたものではありません。
あるいは一部では、固定的でもありません。
例えば、ゴーン社長も「株価連動報酬」をもらっていましたよね。
- 業績連動報酬
- 株価連動報酬(SAR)←これさ、実はストックオプションで報酬をもらうと税率が20.315%になるから役員の高い税率に比べたら凄い安いんだよね……
この2つでもらっている上場企業社長は多いと思います。ただ、安定しているわけではありませんよね。会社の業績が悪ければ、自分の役員報酬を下げることはおろか、立場も危うい。
それどころか、社員がいれば社員の給料を保証しなくてはいけないので、
経営がうまく言っていない時は経営者自らのお給料を減らしてまでも従業員の給料を保証しなくてはいけなくなります。
「社員の給料>社長の給料」
というのが実態。世間的には「社長は贅沢をしているだけ」と思われているかもしれませんが、社長の方が実は社員のことを考えている場合も多いです。
もしサラリーマン家庭に育っていたり、固定で給料をもらうことができる仕事についている女性なのであれば
安定していない収入はとても不安要素になることだと思います。
経営の仕方によっては使えるお金に変動が出てくるわけですから確かに不安に思うこともあると思いますが
そもそも一番不安を感じているのは舵きりをしている経営者本人だと思うんですね。家庭のことも大切ですけど、会社が潰れてしまったら自分の家庭以外の多くの家庭を潰すことになりますから。
もし収入が不安定になることが不安に感じるのであれば、
収入をあげるために何ができるのか案を考えるだとか、自分が新しく事業をはじめてみるのも良いと思います。
決して不安を言葉にして相手にぶつけるだけ、ということはしないでください。
それはただの文句であり、夫婦の関係を壊す第一歩になります。
ネットが普及している今、主婦だって簡単に稼げるようになっていますから
妻側がそういったやり方を模索してみるのもいいでしょう。
関連記事:主婦でも起業してみれば良いと思う。
優先順位があること
経営者は何よりも優先順位をつけることが一番大切です。
何からはじめて何を後回しにするのか、ということを日々考えながら、いかに効率的に作業を進めていくか、ということを常に考えています。
そうすると、優先順位的に家族のことが後回しになってしまうこともあるでしょう。
それは決して家族をないがしろにしているわけではありません。女性は「私のことをおざなりにして!」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。経営に必死になっているだけなのです。
それよりも優先してやらなくてはいけないことがあるだけで、家族が大切でないわけでも大事にしようという気持ちがないわけでもないのです。
そこを責められると経営者は経営をしていること自体を否定されているように感じてしまうものです。
よく考えてみてください。従業員が100人いるとしましょう。1人あたり300万円の年収を支払うとします。
すると、年間3億円必要なんですよね。利益率が30%だとしましょう。すると、売上は10億円必要なわけです。それだけのお金を稼ぐことができます?
優先順位としてそれを先にやらなくてはいけないんだ、ということを理解してあげるようにしてみてください。
関連記事:会社の経営者が今すぐ捨てるべきもの
わからないと諦めない
経営者とその妻が亀裂が入りやすいのは
「相手のことはよくわからないからそれぞれでやるようにしてしまおう」という諦めが入ってしまう時です。
経営について詳しくない妻が経営者のやっている仕事に全くノータッチになってしまう。
そして経営者は経営者で忙しさにかまけて、家のことは我関せずになってしまう。
そうすると結局結婚して一緒にいる意味のようなものがわからなくなってしまいがちですよね。
相手がやっていることはよくわからないから、と諦めてしまうのはやめましょう。そもそも、妻からすれば「領収証が必要」という概念すらわからなかったりします。
彼氏が経営者でデート代が経費、に怒る女性のおかしさ。という記事でも書いているので、気になる人はどうぞ。
奥さんを役員に入れている会社の場合だと、奥さんとの仕事の話し合いは「会議」になるので経費です。しかし、そこも奥さんは「なぜ私と会うのが仕事みたいな感じなの?ありえない」と、理解できない場合があると思います。
でも、「わからない」と諦めてしまっては、いつまで経っても溝は埋まりません。地道に経営者という存在を理解してあげる必要があるのです。
- 法人税はどの程度なのか
- 所得税との調整をするべきなのか
みたいな簡単なことから学んでみても良いと思います。
コミュニケーションが大切
とにかく夫婦の間で大切なのはコミュニケーションです。
経営に関しても家庭のことに関しても、お互いがわかりあうために、
長く一緒にいるために必要なことはお互いがどんなことを考え、どういうテンション感でいるのか、ということを理解し合おうとすることでしょう。
例えば、夫が上場企業の社長だとしましょう。明日はいよいよ株主総会。ピリピリしますよね。そんな時にコミュニケーションがなく、ただただつらい日々を社長が1人で過ごすようになると、別れに繋がります。
お互いの苦労は理解することはできなくても、それを思いやる心が大切ですし
そのためにコミュニケーションを取り続けることが大切です。
夫婦関係が壊れないためにも、なるべく二人でコミュニケーションをとる時間を作るようにしてみてください。
経営者という職業は孤独です。経営者の妻も孤独かもしれません。だから、相手のことを思いやるなんて難しいことを言っているのかもしれません。
しかし、コミュニケーションを取っていれば、ある程度解消される問題ですから、ゆったりとした気持ちでコミュニケーションを取り続けて欲しいですね。
関連記事:幸せな結婚をするために大切な事とは?
では今日はこのあたりで。